2010年8月29日日曜日

『非凡なる凡人』

『非凡なる凡人』


「経営とは何だろう」「成功とは何だろう」と思う時、あまりにも現実社会において、成功者が少ないことに気がつく。何を以って成功というかは別にして、真の成功者は数%ほどしかいないことに驚かされる。経済的にも社会的にも隆々と成功を手にした人はほんの一握りしかいない。


この一握りしかいない成功者に少しでも触れ、学習しているうちにある事実を発見した。

この事実とは驚くべきもので、予想とは遥かにかけ離れている。内向的で非攻撃的な凡人のほうが圧倒的に多い点だ。しかも秀才型の人物はかなり少ない。もちろん中には、天才型で攻撃的で、積極型の成功者もいる。しかし、このタイプのビジネスの多くは数十年単位では長続きしない。なぜなら一人の天才が多くの部下を率いているため、一人の天才が引退するとその組織の末路は見るも無残な結末になる場合が少なくないからである。これを英雄的経営者という。英雄的な勝利は、組織にとって真の成功とはいえない。



真の成功者をよく見てみると、どう見ても凡人にしか見えない。しかし、ほんの一握りしかいない成功者が単に内向的で非攻撃的な凡人であるはずがないのだ。結果は明らかに非凡なのだから。「非凡なる凡人」なのだ。では「非凡なる凡人」の特徴はいったい何なのか。共通点は何なのか。また、大多数の成功できない経営者との違いは何なのだろうか。



『ビジネスと高校野球』


私は、高校野球が好きで夏の甲子園などの試合をいつも楽しみに見ている。高校野球は負けたチームも勝ったチームも実にすがすがしい。

実力とチームワークが勝ったチームがやはり勝ち残っていく。多少の運不運があるが、鍛え抜かれたチームが最後には勝利する。監督さんの采配を見ているとビジネスに参考になる点も数多くある。では野球と経営は同じなのか。共通する点は、ビジネスも実力とチームワークがなければ勝てない。野球に対する情熱は誰よりも強い。ビジネスも不撓不屈の情熱がなければ成功することはありえない。

しかし野球とビジネスでは決定的に違うものがある。

それは「野球にルールがあり、審判員が存在する」ということだ。ビジネスにはルールは存在しない。ビジネスにはまったくといっていいほどルールは存在しない。このことにほとんどの人が気がついていない。そんな馬鹿な・・・と思うかもしれないがビジネスにはルールブックはない。

しいて言うならは゛商業道徳とコンプライアンス(法令遵守)が存在する程度である。

これらは社会秩序を維持するための、いわば交通標識のようなものである。

実はビジネスで成功した人たちは、「誰も気がつかないもの」を実践し、勝利した人が圧倒的多数なのである。パルチザンと呼ばれる世界的富豪や財閥は別として、大多数の成功者は「誰も気がつかないもの」で静かに勝利している。

「誰も気がつかないもの」、すなわち「隙間」である。



『隙間』

エジソンが電気を発明して以来、世界中の都市が電気を活用していながら、二股ソケットがなかった。不思議である。あの経営の神様、松下幸之助さんでさえ「二股ソケット」

という「隙間」から市場に侵入し、世界を制覇したのである。ビジネスにルールはない。

「隙間」はいつの時代でも存在する。

「隙間」「隙間」「隙間」の集合体がビジネスの世界であり、文化、技術の進化なのである。

「隙間」は開発・製造・サービス・流通・小売・教育産業・医療すべてにおいて無限に存在する。すなわちすべての社会行為に隙間は存在する。

ここで成功者の特徴のひとつを発見できる。成功者は、ビジネスの中に「隙間」が無限に存在することを本能的に知っている人なのである。反対に大多数の経営者は、ビジネスの中にある無限の「隙間」の存在を知らない。ビジネスは、好景気・不景気・政府の方針などの資本主義のルールで動いていると本気で信じている。



それではこの成功者の「隙間」のひらめきは何処から来るのか。これが「非凡なる凡人」の最大の特徴なのである。

彼らに共通している点は、「極めて誠実な世界観・国家観または宗教観を持っている」ということである。その哲学的内容の質は別として、とてつもなく純粋な精神を多くの成功者が保有している。世界観・国家観まではいかなくても、社会のため、地域のため、人々のため、お客様のため、という真摯な心を保有している。



彼らはこの世界観・国家観で仲間や部下を雇用する。成功者が表面的に内気で非攻撃的に見える根拠はここにある。「非凡なる凡人」の源泉なのである。すなわち私欲がほとんどないのだ。私欲が無いといっても、「大欲」がある。世界観・国家観という大欲である。『大欲は無欲に似たり』という言葉のとおりである。だからどんな借金地獄の窮地に追い込まれても、彼らはひるむことは絶対にない。



『静かなる心』


誠実な世界観・国家観を持った経営者は、力や単なる勢いだけで市場を制覇しようとはしない。常に静かなる心で世界や国や地域社会に役に立てるものを探している。

静かなる謙虚な心で己自身が世界一・日本一・地域一になれるものをどんな小さなものでも探している。そして何かを発見すると誠実に謙虚に実行する。この『静かなる心』には鋼鉄の意志と情熱が隠されている。そして、その小さなもので彼らは世界一を目指す。世界一・日本一とは単なる部分に過ぎない。成功者は世界一を目指さない限り日本一になれない。日本一を目指さない限り地域一になれないことを本能的に知っている。人は誰しも部分的に世界一になれる要素を所有しているという。

静かなる心』で何かを発見し、鋼鉄の意志で実行したものだけがわずか一握りの成功者になれるのである。



私たちは成功者特有の源泉を学ぶことにより、少しずつ、階段を上っていかねばならないのだ。 

ちなみに私の店で最近ニッチ化した商品があります。すなわち「隙間」です。

ご覧ください。

それは手作り時計です。

えっ!とお思いでしょうがかなり売れています。  手作り時計です。                             

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